木を伝える人になるために

今回、お客さんと話すきっかけ作りとして、komera challengeという企画を思いついた。

積み木を一番少ない本数で一番高く積めた人にkomeraをプレゼントするという単純な企画。

でも、事前告知もなし、POPも作れなかったということで、自分で声をかけて挑戦してもらうしかなかった。

そのおかげで積極的に声かけが出来たんじゃないかな、と思う。

ほかにも、ブースの周りに漂う木の香りがきっかけの方もいたし、即席で作った陳列台に興味を持ってもらった方もいた。

一人ひとり興味を持つものは違う。だから、話しかける内容も変わっていく。

木の手触り、香り、重さ、冷たさ。知らないことを知っていく喜び。

お客さんが実感した時の「へぇ~!!」という言葉が、うれしくてちょっとクセになる。

今は情報が溢れていて、なんでも取捨選択していく時代。

頭で理解したことはたくさんあるのに、実は実感したことがないってこと、本当によくある。

だからこそ、触れてわかることが大切なんだと確信している。

僕は木のおもちゃ屋さんだから、まずは木に触れてもらうことが一番大切なんだ。

2m*2mの小さなブース。

そこにいっぱいになることなくこぢんまりとまとまった商品。

それでも、興味を持ってくれた人との会話は尽きることなく、あっという間に終わってしまった。

言葉は届いただろうか。

気持ちは伝わっただろうか。

いやいや自分ばかり話していなかっただろうか。

ちゃんと相手の気持ちに添うことが出来ただろうか。

当たり前だけど、木は生き物だ。

一本の木として生を受け、何十年、下手したら何百年という時を経て伐りだされ、材木として2度目の生を受けなおす。

中に虫食いや腐りが出ているものは敬遠されるし、木の中の水分や周りの湿度でだって寸法は狂う。

鉄のように強度は出ないし、プラスチックのような自由度もない。

扱いは難しい素材だ。

でも、鉋をかけるたびに変わる木目の表情や、するんと滑るような手触り、温度、香り。

ほかのものではちょっと再現できない魅力がたくさんある。

それを引き出して、伝える。やがて手にした人の喜びに変えていけるように。

だから、もう一度木に触れてみませんか。

それが、僕がブースを出す理由なのだ。